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ライブアイドル楽曲の作り方

2012年4月23日 21:08

ここ1年くらい、ライブアイドルの楽曲制作を行ってきて、楽曲の作り方のセオリーみたいなのがなんとなく自分の中で出来てきたので、ちょっとまとめてみます(えらそうですみません......)。
もちろん、俺流だし、僕の乏しい経験の中から出てきているものなので、一般論ではないよ、ということで......。

ライブアイドルの楽曲制作は、他の楽曲(自分のユニットとか、ボカロ曲とか)の制作とはいろいろ異なるところがあります。

  • ライブで歌うこと前提
  • CD化や音源が配信されるとは限らない
  • ファンの「盛り上がり」必須
  • 歌のうまい子ばかりではない

じっくり聞かせる曲や、バラードよりも、とにかく、ライブ前提で盛り上がれる曲が、重要だったりします。
なにしろ、音源化されないこともあるので、ライブでしか聞けない曲かも知れないのです。現場で楽しめてナンボ! って気もしています。

BPM160を中心に

BPMはかなり早めです。BPM140くらいだと遅く感じるくらい。ミックス(イントロや間奏でファンが叫ぶ掛け声のようなもの)を気持ちよくしてもらうには、150以上は必要じゃないかなと思っています。BPM190なんて楽曲も良くあります。
僕は、BPM160を中心に150から170くらいで曲を作ることが多いです。実際には、こんな感じです。

夜の向こう:BPM168
全力ポジティブ:BPM155
青春リアリティ:BPM170
GO!! MY WISH!!:BPM165
壊して、純情:BPM162
Lovely Days:BPM158

イントロ、間奏は8小節以上

イントロや間奏では、前述のミックスが入ります。このミックス、4小節目の前で「よっしゃ行くぞー!」の掛け声で発動します。
ですので、間奏が4小節しかないと、掛け声だけで終わってしまう可能性があります。
なので、8小節以上はないとダメなのです。
実際、「夜の向こう」では最初間奏が4小節しかなかったため、ミックスが打てない! ということで急遽8小節に作り直しました。

メロディの隙間を作る

メロディとメロディの隙間は、アイドルとファンとのコミュニケーションのタイミングでもあります。そうです。コールです。
女の子がメロディを歌った後に「○○ちゃーん!」とかの掛け声がかかったりするあれです。
メロディをきっちきちに詰めてしまうと、コールを入れることができないので、ある程度メロディに隙間を作ってやります。
コール以外にも「ふっふー!」とか「はい!はい!はい!はい!」とかいろいろ入るので、メロディづくりの段階で想定しておくようにしています(必ずしもそこで入れてもらえるとは限りませんが......)。

メロディの最高音はCあたり

アイドルはものすごく歌がうまかったり、音域が広かったりするわけではありません。歌が苦手な子もいますし、音域の狭い子もいます。
特にグループアイドルだと、いろんな女の子がいるので、みんなが歌えるであろう音域を意識する必要があります。
いろいろ作ってきて、最近の僕が基準としているのは、上は「C」下は「A」くらい。1オクターブ半弱くらいですね。
結構狭い音域です。注意するのは、楽曲の後半で転調とかした時に、音域を超えちゃわないようにすることです。
アレンジ、ミックスが終わってからのキー変更はきついので、早めにキーを確認してもらうのも重要です。

覚えやすいメロディ

曲は、音源化される前に何度もライブで披露されます。youtubeなどで動画が公開されることもありますが、ファンの人が曲を聴けるのはライブだけということも多いのです。
ですので、メロディの覚えやすさは重要になってくると思います。一度聴いたら覚えちゃうくらいのキャッチーさだとなおよい気もしますが、難しいです......。
覚えやすいメロディにはいろいろあると思いますが、僕は繰り返しをよく使います。同じメロディを繰り返す、同じリズムで繰り返す、などなど。
次のライブでは、一緒に合唱できるって感じだと、最高ですね!

落ちサビ重要

2コーラス目が終わって、最後にサビを繰り返すあたりでオケを薄くする「落ちサビ」というのがあります。
ここは、ファンの人も盛り上がりますし、アイドルの歌の聞かせどころでもありますので、できるだけ作るようにしています。
でも、オケを薄くする手法も毎回同じではマンネリ化するので、どの楽器をなくして、どの楽器を鳴らすのかの選択にはいつも頭を悩ませています。
落ちサビは、だいたい4小節か8小節で作ります。落ちサビ明けのフィルインで楽器数を一気に増やして、音圧をあげるのが好みです。

大サビはおいしい

アイドル曲はAメロBメロサビで1コーラス、それを繰り返して2コーラス、間奏が入ってサビくりかえしという構成が多いのですが(特に僕の楽曲は)、サビくりかえしの前に、今までに出てこない新しいメロディ「大サビ」を加えることも多いです。
今までとはまったく違ったイメージのメロディも面白いし、リズム自体を変えちゃうのも面白いです。
楽曲全体のフックになることもあるので、重要だと思っています。ただし、毎回大サビを作ると、ファンの人に先読みされるのも悔しいので、わざと作らなかったりもします。駆け引きですね(笑)

物足りなさを作る

また聞きたい! って思わせるのはどんな曲でも目標にしたいことなんですけど、ライブアイドル楽曲では「またライブに来たい!!」ってことでもありますので、とても大切だと思っています。
なので、一度聴いただけではちょっと物足りない! って感じ、そこをうまく作れたらいいなと。
最後のサビの繰り返しで2度繰り返すところを繰り返さないとか。
楽曲の最後をばすっと切って終わらせてしまうとか。
4分くらいのコンパクトサイズにまとめるとか。
いろいろあると思うんですけど、満足! でも、ちょっと物足りない! が理想です。

オタ芸をイメージする

ライブアイドルの現場ではファンの人たちのコールや、独特のパフォーマンスである「オタ芸」が良く行われます。
アイドルの歌を聴くだけではなく、ファン自らが体を使って表現したりもします。
これに関しては、賛否両論あるようですが、それでアイドルもファンも楽しめるのであれば、楽曲を作成する僕もそれを楽しんでもらえるようにしたいと思います。
オタ芸にはいろいろなものがあります。振りコピだけの場合もあります。これは、アイドルごとの現場によっても違いがあります。
楽曲制作前には何度か現場に通って、イメージできるようにしています。
楽曲を制作する段階では、アイドルが歌う様子はもちろん、ファンが盛り上がる様子も想像しながら作っています。
これまた、思い通りに決まるわけではないのですが......。まれに、ばっちり想像がはまった時は、ものすごい快感です。

てなわけで、だらだらと書いてみました。
こんなこと考えながら、アイドル楽曲作ってるんですよということで、何か参考になったり、アイドル楽曲に興味を持ったもらえたらと思います。

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