2015年3月18日 19:16
Luce Twinkle Wink☆の2ndシングル「You are a star!」が3月10に発売になりました!
3月9日付のオリコンデイリーチャートで2位を獲得、そして、3月23日付のウィークリーチャートでは、なんと6位を獲得しました!!
素晴らしい!! めでたい!!
オリコン週間 CDシングルランキング 2015年03月09日~2015年03月15日 | ORICON STYLE
僕はカップリング曲「少女たちの微熱」をサウンドプロデュースしました。
さて、CDリリース時恒例の制作秘話いってみましょう!
長いです!
この曲は昨年の夏に作りました。
「ルーチェにマイナーアップテンポな楽曲を」というオファーでした。
具体的な指示はなかったので、僕とまいさんとで妄想打ち合わせをしました。
この曲は「禁断の恋に悩む少女たち」を描いています。この恋の形がどういうものかは、曲を聴いていただいた方にはすぐに分かっていただけると思います。が、具体的なことについては、メンバーは意図してなのかたまたまなのか語っていないようなので、ここでも、「ある恋の形」ということにしておこうと思います。
この曲を作る以前から、僕にはLuce Twinkle Wink☆というグループには、アニメや小説に出てくるような女子校のイメージがありました。リアルの女子校ではなく、あくまでも、創作された女子校です。
2.5次元な女子校を舞台にした曲を書いたらいいんじゃないかということは、すぐに決まりました。
楽曲は、それまでルーチェがカバーしてきた、お姉さんグループ「愛乙女★DOLL」の「壊して、純情」の進化系にしようと思いました。
よく聞いてもらうと、サビのコード進行や、キメなどに「壊して、純情」の匂いが感じられると思います。
ルーチェ版「壊して、純情」を目論んだのです。
今までカバーしてきた時間で確実に彼女たちは成長しているわけで、その成長を見せる(魅せる)ことができたら、彼女たちの進化を感じていただけるのではないかと。
そんなわけで、まいさんと何度にも渡るメッセンジャーでの気持ち悪い熱心なやり取りを交わして、この曲の骨格はできました。
やりすぎず、でも、少しのエロスを残しつつというバランスにはとても苦労しました。
で、最後までなかなか決まらなかったのが、セリフ「ねえ、どうしよう...」です。
この曲にはたった一言で破壊力のあるセリフを入れたいと思っていました。
妄想キャリブレーションの「何故なら私、妄想少女ですの」4:00くらいの「妄想しちゃう?」のインパクト!!
そして、過去にはセリフではないですが
CoCoの「はんぶん不思議」の「あなたいじわる」なんてのもありました!!
こういうい一発で萌え殺すセリフが大好物なのです。
まいさんといくつもの案を出しました。
「好き」
「好きよ」
シンプルだけど、当たり前すぎる。
結果的にこのセリフは曲後半のゆきのしかのフェイク「それでも好きよ」に転用されます。
「ねぇ、いいんだよね?」
「どうしよう、好きになっちゃったよ」
このあたり、悪くはないんだけど、ストレートすぎる感じ。
「...ためしてみる?」
「それだけでいいの?」
挑発的な感じで、めめたんに言われたら悶絶しそう。
結局、そんな中で決まったのが
「ねぇ、どうしよう...」
でした。
このセリフをいーちゃんが言ったら、萌え死ぬ! 僕とまいさん、深夜に大興奮しました。
余談ですが、いーちゃんで行こうと決めてはいたものの、試してみたくてレコーディングで全メンバーの「ねぇ、どうしよう...」を録音しました。宇佐美の微熱、桧垣の微熱、深沢の微熱、錦織の微熱もなかなか良かったのですが......。
で、さて、ここから先は、少女たちの微熱の個人解釈になります。作詞のまいさんの思いとも異なるかもしれないし、聞いてくださった方の解釈とも異なるかもしれません。
みなさんそれぞの解釈が完全な正解です。
ですので、僕が書くのが「答え」ではないので、そのあたり、誤解なきよう。
「禁断の恋」「いけない恋」と言っていますが、実は、この物語の中では、二人以外には誰にもその関係を知られていないし、つまり、誰からも「いけない恋である」とは言われていません。
「引き寄せたいすぐに」「ささやきたいすぐに」「抱き合いたいすぐに」とは言っていますが、引き寄せても、ささやいても、抱き合ってもいません。
自分たちの中に生まれているそのどうして良いのかわからない、なんだからわからない思いを、わざと「悪いもの」として扱い、そうすることでそれ以上には踏み出せないようにしてるように僕には思えるのです。
そして、お互いの距離感、つまり、好きのバランスも50:50ではなく、片方の思いが強い気がしています。
この、踏み出さないようにしている、バランスも悪い、自分でも制御できない想い。
だからこそ、少女は「ねぇ、どうしよう...」と誰にともなく声にしてしまうのではないか。
この解釈のもと、この曲にはいくつか仕掛けをほどこしています。
周りの人には知られていないということで、二人で歌うところでは右と左離れたところで歌っています。PANがかなり大きめに振られているはずです。ぜひ、イヤフォンなどで確認を。
二人だけの秘密の時間を表すために、全体的にリバーブを深めにかけてもらって紗のかかったような幻想感を出しています。
そして、「ねぇ、どうしよう...」のセリフは、二人の世界からもれてしまう本音なので、ここだけリバーブもディレイも完全に切っためちゃくちゃドライな音にしてもらいました。耳元で聞こえる感じにもこだわりました。ここでも、イヤフォン必須ですね。
エンジニアの慎さん、ほんとにお世話になりました。
そして、この世界では、めめたんとさきちゃん、いーちゃんとかほハムが想いを寄せ合っているという設定を僕とまいさんとで考えていました。
残るゆきのしかは、まだ恋を知らない、もしくは、今その恋の始まりの場所にいます。だからこそ、彼女だけはある意味「無邪気」に「好きよ」と叫ぶことができます。
と、このようなことを僕は考えていました。
聞いただけだとわからないかもしれないけど、その一つ奥底にはこんな意味も考えられるんじゃない? というようなことを、レコーディングの時にルーチェメンバーには話をしました。
このことを知った上で、もう一度ライブで「少女たちの微熱」を聞いてみてください。
ただ、切ない、情熱的な曲ではなく、とても難しい表現に彼女たちが挑戦しているということに気づいていただけると思います。
この曲は毎回変わるし、どんどん進化して行く曲だと思っています。
ぜひ、目撃してください。
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